01 「社長がいなくなったら、
セレクトホームはどうなりますか?」
01 「社長がいなくなったら、セレクトホームはどうなりますか?」
ご契約を目前としたお客様からこう質問されたとき、考えるよりも前に「私がいます」と答えている自分がいました。
重永建設は昭和46年に祖父母が設立、昭和63年に父が後を継ぎ、私で3代目になります。
このページのタイトルにもなっている「社長がいなくなったら、セレクトホームはどうなりますか?」は、父が社長だったころに私がお客様からいただいた言葉でした。
この時初めて、「私たちを信じて託してくださったお客様の家を守っていくために、私には会社を存続していく責任がある」と強く感じていることに気が付き、会社を継ぐことを意識し始めました。
02 社長になる覚悟
02 社長になる覚悟
お客様に「私がいます」と答えたからと言って、すぐに「さぁ、次は私が継ぐぞ!」と思えた訳ではありません。
会社を継ぐということは、お客様の家を守るということ、社員や業者職人さんとその家族の生活を守るということです。このことを決心するまでには、もちろん不安がありました。
中でも不安だったことは、「男性社会の建設業界で女性の私に建設会社の社長なんてできるのか」ということ。
そして、この責任を担っていくには「女性としての幸せ、結婚や出産を諦める必要があるのではないか」ということでした。
03 女性の私に建設会社の社長なんてできるのか
03 女性の私に建設会社の社長なんてできるのか
今では女性も多くなってきましたが、まだまだ建設業界は『男性社会』というイメージが強いですし、実際関わっている人も男性の方が多いように思います。
そんな中、不安を拭うきっかけが訪れました。
それが青年会議所活動の中で、チームのリーダー役をすることになったことでした。20歳から40歳までの主に個人事業主の方、会社社長や役員の方などが集まる会です。そのチームメンバーの中で最年少30歳という若さ、しかも少数派の女性の私に、リーダー役が回ってきたのです。私自身不安でしたし、実際周りからも「できるのか?」という心配の声がありました。
「やりたい!」と手を挙げるような前向きなものではなく、誰かがやらないといけないという状況で引き受けた役割だったので、「成果を出す」というより「絶対に逃げずに1年間やりきる」という思いしかありませんでした。最初は心配していた周りの人たちも、「絶対にやる」という私の姿勢を見て、次第に信頼を置いてくれるようになり、応援してくれるようになりました。
その結果得られたものが、やりきったという自信と、「女性だからこそできることがある」ということに気づけたこと、「熱い気持ちを持って一生懸命やる姿勢が人を動かす」ということを知ったことでした。
この1年間があったからこそ、「私だからやれる会社がある」と覚悟ができたのです。
実際に今のセレクトホームには、お客様がご相談に来られてからメンテナンスまでの流れ、会社の方針やルールなど、すべてに女性目線を取り入れています。
でも、男性を無視しているわけではありません。女性が居心地良いと思うことは、男性にとって決して居心地悪いものにはならないと思っているからです。
そして、私が誰よりも熱い気持ちを持ってお客様のことを一生懸命考えます。そうすることで、社員のみんなにも伝わっていくはずです。セレクトホームは社員全員がお客様に関わっていきますので、熱い思いを持ってお客様と一緒に家づくりをさせていただきます。
04 「重永家の一員になる?」
04 「重永家の一員になる?」
会社を継ぐ決心と同時に諦めたことがあります。それは「結婚」です。
会社の代表になるということは大きな責任があり、何を置いても会社を優先にしないといけない場面があります。それを理解し協力してくれる男性と出会うのは難しいと思っていたからです。
会社を継ぐと決心したときに一度諦めた結婚。
でも、マイホームを考えるほとんどのお客様が結婚し子育てをされています。次第に「もっとお客様の気持ちに寄り添うために、結婚や子どもを育てる喜びや苦労を知りたい。」という思いが強くなりました。
そして36歳の時、今の主人と結婚しました。運命の出会い…そんなドラマチックなお話ではありません。
現場監督として重永建設の一員だった8歳年下の主人とは、上司部下の関係。
恋愛関係は一切ありませんでしたが、仕事を通じての信頼関係は強く、私が会社を継ぐときには絶対に力になってほしい存在でした。そんな私たちを結びつけてくれたのは、家を建ててくださったお施主様です。「お二人結婚したらいいのに!」とたくさんの方が推してくださいました。
結婚したら幸せになるんじゃないかなと思い、口にしてみた「重永家の一員になる?」その2か月後に入籍し、今では2人の息子に恵まれ4人家族になりました。仕事をしながらの子育ては大変ですが、とても幸せです。私たちに恋愛期間はありませんでしたが、主人は家庭と会社を一緒に守ってくれる心強いパートナーです。
諦めていた結婚ができたことで、よりお客様の想いに共感し同じ目線で考えることが出来るようになったこと、家事育児をしながら働くスタッフの苦労を知ることができたことは、会社を継いだ私の大きな力になっています。
私にも大切な家族がいるように、お客様ご家族皆様の幸せを「家」を通してお守りするのが私たちの使命だと考えています。
家は家族が幸せになる手段でしかありません。お客様ご家族が家を建てることで、より一層お幸せな暮らしが実現できるようなお手伝いをさせていただきます。
05 重永建設4代目
05 重永建設4代目
私には会社を存続させていく責任がありますから、いつかは会社を承継していかなければいけません。
2人の息子がいますので、よく「跡継ぎが2人もいて安心ね」と言われますが、息子たちに「会社を継ぎなさい」とは言わないと決めています。自分の人生は自分の意志で切り拓いていってほしいからです。
ただ、両親がどんな仕事をしているのか「家を建てる」ということがどんなことなのか、重永建設がどんな会社なのか、しっかり見せて伝えていくつもりです。
私は事務所のベビーベッドで育ちました。学校から帰ったらまず事務所で今日の出来事を一通り話すのが日課でした。新年会や忘年会、社員旅行にも一緒に連れて行ってもらい、事務所にいる人たちにはたくさん可愛がってもらって親戚のような存在。祖父の代から今でも一緒に仕事をしてくれている職人さんを、物心つくまで親戚のおじさんだと思っていたくらいです(笑)
私にとって、会社は実家のようなものです。
いざ私が会社を継ぐとなった時、父に「どんな会社がいい?」と質問したところ、父は「あったかい会社がいいな」と言いました。
重永建設は昔から、社員のみんなや職人さんたちが身内のように感じられるあたたかい会社なのです。これからも、関わってくれる全ての方にとってあたたかい会社でありたいと願っています。
そして、息子たちは私と同じように事務所のベビーベッドで育ち、保育園から帰ってくるのは事務所です。会社を我が家のように思い、社員のみんなに可愛がってもらって親戚のように身近に感じてくれるはずです。
そうすればきっと、重永建設4代目として愛情を持って、このあたたかい会社を受け継いでくれるのではないかと密かに期待しています。
実は、この代表挨拶を書いている途中に、お客様から「社長がいなくなったら会社はどうなりますか?」とご質問いただきました。
まさか社長になってから、同じ質問をいただくとは考えてもいませんでしたが、「弟と主人がいますので大丈夫ですよ」と答えている自分がいました。
先代の社長が亡くなってから、一緒に頑張ってきた2人がいるから大丈夫と心から思えているということに気づき嬉しく思いました。
息子たちが成長するには時間がかかりますが、私と同じ思いで会社を守ってくれる弟と主人の存在があるので、お客様にも胸を張ってセレクトホームは大丈夫ですとお伝えできます。
06 セレクトホームのこだわり
06 セレクトホームのこだわり
「セレクトホームの本社はどこですか?」
時々そんなご質問をいただきますが、セレクトホームはフランチャイズではありません。
重永建設の注文住宅部門で完全オリジナルです。
私たちがご提供する家には、思いやこだわりが詰まっています。
セレクトホームを設立した先代社長である父のこだわりは「価格と性能」でした。
徹底してローコストのノウハウを学び、建築コストを落としました。良い家をつくるという信念の下、耐震や断熱にも力をいれました。特に、父自身がヒートショックが原因で脳卒中を経験し、「家族が暮らす家で事故を起こしてはいけない」という思いでこだわった「外断熱」は私たちの自慢です。
父から受け継いだ低価格で高性能という強みに、私のこだわりが加わりました。
私のこだわりは、お客様のライフスタイルに合った動線や収納を叶えた間取り、デザイン性や暮らしを提案する女性目線です。
そして、家づくりは思い出づくりでもあります。家を建てるという、多くの方にとって一生に一度の大イベントを、家族にとって最高の思い出にしていただくこと。結婚式で写真や動画を残すのが当たり前になったように、家づくりもその過程を写真や動画に残していきたい。
お客様にはその時々を楽しんでいただいて、私たちがその思い出づくりを手伝わせていただいています。
07 「セレクトホームで良かった!」
07 「セレクトホームで良かった!」
ただ、正直に言いますと、実際会社を継いだ当初は大きな不安でいっぱいでした。
継ぐと決心した気持ちはどこに行った!というほど、自信も喪失していました。そんな私を救ってくださったのは、お客様の笑顔と言葉でした。
家が完成してお引渡しの時に感動して涙された姿、マイホーム実現に向けて打合せ中の笑顔、「セレクトホームさんにお願いします」と託してくださった言葉、「セレクトホームで建てて良かった」と喜んでいただいた言葉。
見るたび聞くたびに「絶対に裏切れない」と思いは引き締まり、そして少しずつ、この笑顔と言葉を守っていくことに私の存在意義があると思えるようになりました。
お客様に喜んでいただけない会社なら存続していても意味がない。
「出会った全てのお客様に喜んでもらえる会社にする」
その覚悟ができた時、胸を張ってセレクトホームの代表と言えるようになりました。
私たちは、マイホームを考えるお客様の気持ちに寄り添い、共感し、心あたたまるような家づくりを一緒にしていきます。
会社を継ぐきっかけから結婚や出産、本当にオーナーの皆様に私は支えられてきました。
いただいたお手紙やメッセージは宝物です。デスクマットに挟んで毎日眺めています。
50年という歴史も、セレクトホームを信じて家を託してくださったオーナーの皆様がいたから。
そんなオーナー様に家を建てた後にも喜んでいただける会社にすることが私の目標です。
08 重永建設の会社理念
08 重永建設の会社理念
お客様に喜んでいただくことはもちろんですが、
縁あって一緒に働く社員が「重永建設で働いて良かった」と振り返ってくれるような会社でありたい。
業者・職人の方に「一緒に仕事がしたい」と思ってもらえる会社でありたい。地域や社会にとって必要な会社でありたい。
私が会社を継ごうと決心した時の思いです。
この思いから、会社理念をつくりました。
「社員の幸せこそ会社の繁栄、私たちは家づくりを通してお客様の幸せと地域社会に貢献する」
2018年会社を継いだ年は本当に頼りない社長でした。
そんな私を信じてついてきてくれたスタッフのみんな、先代の社長が亡くなっても離れていかなかった業者職人さんに心から感謝するようになりました。
社長になって4年、まだまだ未熟者ではありますが、私を励ましてくれたすべてのオーナー様、会社を支えてくれるスタッフのみんな、業者職人の皆様、地域の人々の幸せに貢献できる会社を目指します。
09 最後に
09 最後に
セレクトホームのホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
せっかくご覧いただいた皆様に、私たちの思いやどんな会社なのか知っていただきたいと思い、私の「想い」を書かせていただきました。
そんな想いが伝わる場になったら幸いです。